【諦める前に!】ニューバランス993の加水分解は直せる!Vibramソールで蘇るオールソール交換修理の徹底解説
2026/08/01
「ひさしぶりに履こうと思って靴箱から出したら、ソールがボロボロと崩れてきた……」 「お気に入りのニューバランス993、加水分解しちゃったけどもう捨てるしかないのかな?」
愛着のある一足を前に、こんなショックを受けていませんか?
名作として名高いNew Balance(ニューバランス)993。包み込まれるような履き心地と完成されたデザインで、長年愛用されている方も多いモデルです。しかし、どれだけ大切にお手入れをしていても避けて通れないのが「ミッドソールの加水分解」という現象です。
結論からお伝えすると、加水分解を起こしたニューバランス993は、オールソール交換(ソールの全面張り替え)で再び快適に履けるようになります!
今回は、高知県にお住まいのT様より郵送修理でご依頼いただいた「ニューバランス993の加水分解・オールソール交換修理」の事例をもとに、靴修理のプロの視点から原因や修理過程、そしてカスタムの魅力まで詳しく解説します。
1. ニューバランス993を襲う「加水分解」とは?
そもそも、なぜ普通に保管していただけのスニーカーのソールが壊れてしまうのでしょうか?
加水分解(かすいぶんかい)の原因
ニューバランスをはじめとする多くのハイテクスニーカーのミッドソールには、衝撃吸収性に優れたポリウレタン(PU)やEVAといった素材が使用されています。
このポリウレタン素材が、空気中の水分と反応して化学変化を起こし、徐々に分子が分解されていく現象を「加水分解」と呼びます。
ボロボロと粉を吹くように崩れる
指で押すとベタベタ・クッション性がなくなっている
歩いている最中にソールがウレタン部分から突然剥がれ落ちる
このような症状が現れたら、それは間違いなく加水分解です。日本の気候(高い湿度)は靴にとって過酷な環境であるため、履いていなくても製造から約3〜5年が経過すると進行してしまうのが特徴です。
職人のワンポイントアドバイス 「あまり履かずに靴箱に大切にしまい込んでいた」という靴ほど、加水分解を起こしやすくなります。履くことでソール内部の空気が入れ替わり、湿気が抜けるため、定期的に履いてあげることが実は一番の長持ちのコツです。
2. なぜニューバランス993は「部分修理」が難しいのか?
2. なぜニューバランス993は「部分修理」が難しいのか?
ニューバランスの990番台シリーズ(990, 992, 993など)は、衝撃吸収材「ABZORB(アブゾーブ)」などを組み込んだ一体成型ソールを採用しています。
そのため、アッパー(革やメッシュの靴本体)とミッドソール、アウトソールが強固かつ複雑に合体しており、劣化してボロボロになったミッドソールだけを「部分的に接着し直す」という補修は物理的に不可能です。
無理に接着剤で固めても、土台となるポリウレタン自体が崩れているため、歩いた瞬間に再び剥がれてしまいます。
つまり、加水分解してしまったニューバランス993を復活させる唯一の方法は、「劣化して死んでしまったソールをすべて取り除き、新しいソールへ根こそぎ付け替える(オールソール交換)」しかないのです。
3. 【事例紹介】高知県T様からのご依頼(New Balance 993)
今回、高知県にお住まいのT様より当店(いずみ靴店)へご相談をいただきました。
持ち込まれたお靴の状態
お預かりしたニューバランス993を確認すると、ミッドソール全体に著しい加水分解が進行しており、指で触れるだけでウレタンが崩れ落ちてしまう状態でした。アッパー(上の生地部分)は非常にきれいで、丁寧に手入れされていたことがよく分かります。
「アッパーはまだまだ履けるのに、ソールだけで捨ててしまうのはあまりにも勿体ない……」
お客様の「また履きたい」という想いにお応えするため、今回は信頼と実績を誇るイタリアのソールメーカー「Vibram(ビブラム)社」の762K フェルランニングソールを使用した全面オールソール交換をご提案いたしました。
4. Vibram(ビブラム)762Kソールを使った修理の工程
ここからは、実際に靴修理職人がどのような工程で修理を行っているのかをご紹介します。
工程①:劣化ソールの全除去(解体)
まずは、加水分解を起こした旧ソールをナイフや特殊工具を使って丁寧に手作業で剥がしていきます。 アッパーのレザーやメッシュ生地を傷つけないよう、ミリ単位の慎重な作業が求められます。残った古い接着剤やウレタンの粉も、専用グラインダーや手作業できれいに削り落とし、新しいソールを貼り付けるための下地を整えます。
工程②:下地処理とプライマー(接着剤)塗布
スニーカーの修理で最も重要なのが「接着強度」です。 スニーカーの素材に合わせた適切なプライマー(下塗り剤)を塗布し、しっかりと乾燥・化学反応させた上で、靴専用の強力なボンドを均一に塗り重ねます。
工程③:Vibram 762K ソールの圧着・成形
新しいソール「Vibram 762K フェルランニングソール」をセットし、専用の圧着機で強力にプレスします。 靴のラインに合わせてソールのコバ(縁)を削り出し、違和感のない美しいシルエットへ整えていきます。
5. 修理完了!Vibram 762Kカスタムの仕上がりとメリット
完成したニューバランス993がこちらです。
純正のソールとは異なるデザインになりますが、993特有のボリューミーなシルエットを損なうことなく、非常にマッチした力強くスポーティーな仕上がりになりました。
Vibram 762Kを選ぶ3つのメリット
圧倒的な耐久性と加水分解に強い構造 ビブラムソールは耐摩耗性に優れており、純正の加水分解しやすいポリウレタン素材とは異なり、長期にわたって安心して履き続けることができます。
抜群のグリップ力 トレイルランニングや街履きにも対応するグリップパターンが施されているため、雨の日の濡れた路面や悪路でも滑りにくく、快適な歩行をサポートします。
絶妙なボリューム感(ソールカスタム) ニューバランス993のダッドスニーカー的な程よい重厚感とベストマッチ。「修理」にとどまらず、自分だけの一足へと昇華させる「ソールカスタム」としても楽しめます。
7. 全国対応!「郵送修理」のご利用方法
当店「いずみ靴店」は岡山県倉敷市に店舗を構えておりますが、全国どこからでも郵送での修理依頼を承っております。
今回の高知県のT様のように、「近くにスニーカーの本格的なオールソールをしてくれる靴修理店がない」という方も安心してお任せください。
簡単3ステップ!郵送修理の流れ
スマホで写真を撮ってLINEまたはメールで送信 靴の状態(傷んでいる箇所)の写真を撮り、当店へお送りください。概算のお見積もりと最適な修理プランをご案内いたします。
お品物を当店へ発送 お見積もりにご納得いただけましたら、靴を梱包して当店(岡山県倉敷市)までお送りください。
職人による施工後、ご自宅へお届け! 一足一足、心を込めて丁寧に修理を行い、仕上がり後にご指定のご住所へ返送いたします。
8. まとめ:大切なニューバランス993をもう一度、あなたの足元へ
ニューバランス993は、履き心地の良さもデザインも、一世代で使い捨てにしてしまうにはあまりにも惜しい名作スニーカーです。
加水分解してしまったからといって、諦めて捨てる必要はありません。適切なオールソール交換を施せば、耐久性をさらに増した「特別な一足」として、再び長く愛用することができます。
「加水分解したからもう履けない」と靴箱の奥に眠らせているニューバランスがあれば、ぜひ一度、靴修理のプロにお見せください。
皆様の大切な足元を蘇らせるお手伝いをさせていただきます。ご相談・お見積もりは無料です。お気軽にお問い合わせください!
【店舗情報・ご相談窓口】
店舗名:いずみ靴店
所在地:岡山県倉敷市(全国郵送修理対応)
対応メニュー:靴修理・スニーカー修理・バッグ修理・ソールカスタム・オールソール交換
主な対応ブランド:New Balance(ニューバランス)、Nike、Adidas、Red Wing、Paraboot 等

