【New Balance US574】加水分解したウェッジヒールの修理!ボロボロになったソールをEVAスポンジで部分復活させる方法
2026/08/23
「ひさしぶりに履こうと思って下駄箱から出したニューバランス(New Balance)のソールが、ボロボロと崩れて亀裂が入っていた……」 「お気に入りのNB574、かかと部分(ウェッジヒール)だけが欠けてしまったけれど、もう履けないのかな?」
大切なスニーカーにこのような症状が出てショックを受けていませんか? 実は、ニューバランスをはじめとする多くのスニーカーで起こるこのトラブルの正体は「加水分解(かすいぶんかい)」です。
「ソール全体をオールソール交換しないと直らないのでは?」と思われる方も多いですが、症状や構造によっては劣化部分だけを取り除く「部分修理・部分交換」が可能です。
今回は、三重県のY様よりご依頼いただいた「New Balance US574」のウェッジヒール加水分解修理の事例を詳しく解説します。 靴修理のプロの視点から、加水分解の原因、EVAスポンジを用いた最適な修理手法、修理費用・納期の目安まで網羅してご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
1. ご依頼内容と靴の状態(New Balance US574)
今回、遠方の三重県Y様よりご送付いただいたのは、USA製モデルとして人気の高いNew Balance US574です。
【ご相談時の症状】
ブランド / モデル: New Balance(ニューバランス) US574
お悩み・症状: かかと側の中底(ウェッジヒール部分)の加水分解、亀裂、欠け
ご希望: 「お気に入りの一足なので、元のデザインや履き心地をできるだけ残してもう一度履けるようにしたい」
【職人の状態診断】
お預かりしたUS574を確認したところ、アウトソール(接地する一番下のゴム底)自体は摩耗も少なく綺麗な状態でした。しかし、その上のウェッジヒール(ミッドソールのヒール部分)に使用されているポリウレタン(PU)素材が完全に加水分解を起こしており、指で押すとボロボロと崩れるほど劣化が進んでいました。
ニューバランスの574シリーズや996シリーズなどでは、クッション性を高めるためにミッドソールにポリウレタンやENCAP(エンキャップ)構造が採用されています。このポリウレタン素材こそが、経年劣化による加水分解を起こしやすい原因です。
2. なぜ起こる?ニューバランスのソールが加水分解する原因
スニーカー好きを悩ませる「加水分解」とは、一体どのような現象なのでしょうか?
加水分解のメカニズム
加水分解とは、ポリウレタン(PU)などの合成樹脂が、空気中の水分(湿気)と反応して化学分解を起こし、劣化・崩壊していく現象です。
水分の影響: 日本は湿気が高いため、下駄箱に長期間保管しているだけでも空気中の水分を吸収して劣化が進みます。
履いていなくても起こる: 「ほとんど履いていないから大丈夫」と思いがちですが、加水分解は時間経過(製造から約3〜5年経過後)とともに自然に進行します。むしろ、適度に履いてソールに圧力をかけ、内部の水分を押し出している靴の方が見た目上長持ちすることもあります。
放っておくとどうなる?
一度加水分解が始まったポリウレタンは、元に戻ることはありません。 そのまま履き続けると、歩行時の衝撃で一気に砕け散り、最終的にはソール全体が剥がれ落ちて歩行不能になってしまいます。手遅れになる前に、専門の修理店へ相談することが大切です。
3. 今回実施した修理アプローチ:EVAスポンジへの「部分交換」
「加水分解=ソール全体の全面交換(オールソール)」と考えがちですが、いずみ靴店では靴の状態を見極めた最適な修理提案を行っています。
なぜ「全体交換」ではなく「部分交換」なのか?
今回のUS574は、接地するアウトソール(ゴム部分)の劣化が少なく、再利用が可能な状態でした。 全体を新品のソールに作り替えてしまうと、見た目のオリジナル感が損なわれたり、費用が高くなってしまったりするデメリットがあります。
そこで今回は、劣化してボロボロになったウェッジヒール部分のみを取り除き、新しい素材に差し替える「部分修理」を選択しました。
新たに使用した素材:「EVAスポンジ」のメリット
交換素材には、靴修理で非常に信頼性の高いEVA(エチレン酢酸ビニル共重合体)スポンジを使用しました。
加水分解を起こさない: EVAはポリウレタンと異なり、湿気による加水分解を起こしにくい優れた素材です。将来的にボロボロと崩れるリスクが激減します。
軽量でクッション性が高い: ランニングシューズや軽量スニーカーに広く使われている素材で、足への負担を軽減します。
加工性と耐久性のバランスが抜群: 削り出しによって純正に近いグラデーションや傾斜・形状を再現できます。
4. プロの技!ウェッジヒール部分交換の作業工程
いずみ靴店で行っている丁寧な修理プロセスの裏側をご紹介します。
ステップ1:分解と劣化素材の完全除去
まずは、劣化しているウェッジヒール部分を慎重に手作業で剥ぎ取ります。 残ったポリウレタンの粉や古い接着剤を綺麗に削り落とさなければ、新しい素材がしっかり密着しません。下地処理(バフ掛け)を徹底的に行います。
ステップ2:EVAスポンジの成形と切り出し
靴の傾斜、ヒールの高さ、元々のデザインラインに合わせてEVAスポンジをミリ単位で削り出します。ニューバランス特有の立体感やシルエットを崩さないよう、熟練の職人技で形を整えます。
ステップ3:強固な圧着
スニーカー専用の強力な接着剤を塗布し、専用の圧着機でしっかりと接着させます。歩行時の衝撃や屈曲で外れないよう、確実な固定を行います。
ステップ4:コバ仕上げ・美装
接着後、ソールの側面(コバ)を研磨して滑らかに整えます。純正デザインと違和感がないよう質感や色味を微調整し、最終チェックを経て完成となります。
5. 修理完了!ビフォーアフターとお客様の声
【修理後の仕上がり】
ボロボロだったウェッジヒールが見事に蘇りました! EVAスポンジに置き換わったことで、見た目の美しさが復活したのはもちろんのこと、今後の加水分解の心配もなくなりました。 アウトソールのオリジナルデザインはそのまま残しているため、New Balance US574ならではの雰囲気・シルエットをしっかりとキープしています。
【三重県 Y様からの感想】
「思い出の詰まったUS574だったので、綺麗に直って本当に嬉しいです!加水分解に強いEVA素材に交換してもらえたので、これからまた安心して履くことができます。丁寧な対応をありがとうございました!」
7. あなたのニューバランスも諦めないで!このような症状はご相談ください
以下のような症状でお困りではありませんか?
ソールやミッドソールに亀裂が入っている
かかと部分のクッションがボロボロ欠けてきた
ミッドソールがベタベタ・ポロポロしている
加水分解しているが、できるだけ元の履き心地やデザインを残したい
長期間履いていなかった大切なスニーカーをもう一度履きたい
「もう履けないかも……」と諦めて捨ててしまう前に、ぜひ一度「靴修理 いずみ靴店」にご相談ください。 全国対応(郵送修理)にて、職人が一足一足を丁寧に診断し、できるだけ元のデザインや履き心地を残した最適な修理方法をご提案いたします。
📍店舗情報・お問い合わせ先
靴修理 いずみ靴店
所在地: 岡山県倉敷市玉島
対応エリア: 岡山県内(倉敷市・岡山市等)はもちろん、郵送修理にて全国対応可能(三重県、東京都、大阪府など全国から多数ご依頼をいただいております)
取扱内容: スニーカー修理、靴底修理、加水分解修理、オールソール、レザーシューズリペア全般
写真付きでLINEやメールからお送りいただければ、事前に簡易お見積もりも可能です。お気軽にお問い合わせください!
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