【施工事例】香川県H様:レッドウィング・ベックマンの復活|加水分解を克服するVibram2333への交換と出し縫い再構築
2026/04/01
1. 修理前の状態:加水分解によるソールの崩壊
お預かりした際、ベックマン特有の純正ハーフソール(ウレタン素材)は、典型的な加水分解を起こしていました。
加水分解とは?
ウレタン素材が空気中の水分と反応し、化学分解を起こす現象です。
見た目の変化: 表面がベタつき、指で押すとポロポロと崩れる。
実用の影響: 歩行中に剥がれ落ちたり、玄関や床を黒く汚したりしてしまう。
原因: 保管場所の湿度や、長期間履かずに保管していたことなどが挙げられます。
H様のベックマンも、レザーソール部分は健在でしたが、地面に接するラバー部分が脱落しかけており、このままでは本来のグリップ力やクッション性を発揮できない状態でした。
2. 職人の選択:加水分解しない「Vibram #2333」への換装
今回の修理における最大のポイントは、「二度と加水分解させないこと」、そして**「ベックマン本来のシルエットを崩さないこと」**です。
そこで私たちが提案し、採用したのがVibram(ビブラム)社製の #2333 ハーフソールです。
Vibram #2333 がベックマンに最適な理由
耐久性の高い合成ゴム: ウレタンではなく高品質な合成ゴムを使用しているため、経年劣化による加水分解の心配がありません。
クラシックな意匠: ベックマンのオリジナルに近いラグパターン(凸凹)を持ち、交換後も違和感なく馴染みます。
優れたグリップ力: 濡れた路面や悪路でも滑りにくく、実用性が大幅に向上します。
3. 修理工程のこだわり:見えない部分に宿る技術
単にゴムを貼り替えるだけではありません。靴の寿命を延ばすための**「出し縫い(アウトステッチ)」の再構築**にこだわりました。
ステップ①:古いソールの除去と下地作り
劣化したハーフソールを丁寧に取り除き、ベースとなるレザーソール面を整えます。接着強度を最大化するため、古いボンドの残留物を完全に除去するこの工程が、後の仕上がりを左右します。
ステップ②:出し縫い(再縫製)の実施
一度ハーフソールを剥がすと、元の縫い糸が切れたり緩んだりすることがあります。今回は耐久性を確固たるものにするため、専用の出し縫い機を用い、ウェルトとソールを再び力強く縫い合わせました。
職人の目線: 縫い直すことで、ソールとアッパーの結合が強固になり、過酷な使用環境でもソールが剥がれるリスクを最小限に抑えます。
ステップ③:エッジ(コバ)の仕上げ
ソールを接着・縫製した後は、コバ(靴の側面)を削り出し、成形します。ベックマン特有の重厚感を損なわないよう、インクの調合から磨き上げまで、手作業で質感を整えました。
5. あなたの大切なレッドウィング、眠っていませんか?
「ソールがボロボロだから」「もう履けないかも」と諦める前に、ぜひ一度ご相談ください。レッドウィングは、修理を繰り返しながら自分だけの一足に育てていくのが最大の醍醐味です。
私たちが大切にしていること
私たちは単に「直す」だけでなく、**「お客様がその靴を履いて笑顔になる瞬間」**を想像しながら作業台に向かっています。
全国から配送での修理受付も承っております。
ベックマン以外のアイリッシュセッターやアイアンレンジャー等の修理実績も豊富です。
状態に合わせた最適なカスタム提案をいたします。
靴修理の力で、皆様の足元を支え続けたい。 大切な靴の「主治医」として、一針一針に心を込めて対応させていただきます。
修理概要
モデル: Red Wing Beckman(レッドウィング ベックマン)
修理内容: ハーフソール交換(Vibram #2333)、出し縫い再縫製
エリア: 香川県 H様
お問い合わせは、DMまたは公式LINEよりお気軽にどうぞ!
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