いずみ靴店

ティンバーランドブーツのカスタム修理

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ティンバーランドブーツのカスタム修理

ティンバーランドブーツのカスタム修理

2026/02/13

1. ティンバーランドが直面していた「経年変化」という壁

 

ティンバーランドのブーツは、その堅牢なイメージとは裏腹に、数年、数十年と経過すると避けられない問題が発生します。今回T様のブーツで見受けられたのは、以下の2点でした。

ソールの剥離と「加水分解」の兆候: ソールが本体から離れ始めており、接着だけでは太刀打ちできない状態でした。

カップソールの硬化と変色: 元々のゴム製カップソールが紫外線の影響や経年により硬くなり、白いはずの部分が黄ばんでしまっていました。

通常、ティンバーランドのソール修理(オールソール)は、メーカー独自の専用ソールを使用しているため、**「元と全く同じ部品」を手に入れることは困難です。しかし、そこで諦めるのではなく、「元よりも価値のある一足にする」**のが私たちの腕の見せ所です。

2. 職人のこだわり:本革による「サイドウォール・カスタム」

 

今回、最も頭を悩ませ、かつ最もこだわったポイントが側面の処理です。

元々のカップソールは、靴の側面を覆うような形状をしていました。これを剥がすと、どうしても革の接着跡や段差が露出してしまいます。そこで私たちは、元のカップソールの形状を再現しつつ、耐久性と高級感を底上げするために**「本革を側面に縫い付ける」**という手法を採用しました。

素材の選定: 柔軟性と強度を兼ね備えた上質なレザーを厳選。

手仕事の精度: ブーツの曲線に合わせて革を裁断し、一針一針丁寧にサイドを縫い付けています。これにより、既製品にはない「ハンドクラフト感」溢れる表情が生まれました。

3. 構造の強化:マッケイ縫いによる「一生モノ」への進化

単に接着剤で新しいソールを貼り付けるだけでは、また数年で剥がれてしまうリスクがあります。そこで今回は、内部構造から見直しました。

ミッドソールの設置: クッション性と強度を保つため、土台となるミッドソールを配置。

マッケイ縫い: このミッドソールを、靴本体の底面と直接縫い合わせる「マッケイ製法」を施しました。

これによって、物理的に底が抜ける心配がほぼなくなり、格段に堅牢な造りへと進化しています。

4. 仕上げ:Vibram #4014(クリスティソール)の採用

最後に、地面と接するアウトソールには、世界が認める最高峰のソールメーカー**「Vibram(ビブラム)」社の#4014**を採用しました。通称「クリスティソール」と呼ばれるこのソールには、以下のメリットがあります。

抜群のクッション性: 厚みのあるスポンジ素材が衝撃を吸収し、長時間の歩行でも疲れにくいのが特徴です。

軽量化: ティンバーランド特有の「重さ」を軽減し、軽快な足運びを実現します。

清潔感のあるホワイト: 真っ白なソールが、アッパーのレザーとのコントラストを鮮やかに引き立て、都会的で爽やかな印象を与えます。

T様へ、そして靴にお悩みを持つすべての方へ

今回の修理は、単なる「復元」ではありません。素材を革に変え、構造を強化し、一流のソールを組み合わせた**「世界に一足だけのカスタム・アップデート」**です。

履き慣れた革の柔らかさはそのままに、足元は新品以上のスペックを手に入れました。広島の街を、この新しい相棒と共に闊歩していただけることを願っております。

「もう履けないかも…」と諦める前に、ぜひ一度ご相談ください。 私たちは靴の声を聴き、持ち主様の想いを形にします。

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