いずみ靴店

埼玉県 E様 ジョーヤのウォーキングシューズ ミッドソールが加水分解を起こしたためソール交換

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埼玉県 E様 ジョーヤのウォーキングシューズ ミッドソールが加水分解を起こしたためソール交換

埼玉県 E様 ジョーヤのウォーキングシューズ ミッドソールが加水分解を起こしたためソール交換

2026/01/21

1. はじめに:ジョーヤという「特別な靴」への敬意

ジョーヤの靴は、単なるウォーキングシューズではありません。「世界一柔らかい履き心地」と称されるその機能性は、膝や腰への負担を軽減し、歩くことそのものを喜びに変えてくれる魔法のような一足です。

今回、E様からお預かりした一足も、長年愛用されてきたことが伝わってくる、足に馴染んだ風合いがありました。アウトソールは一度交換された形跡がありましたが、今回はその土台となる**「ミッドソール(中間層)」**に深刻な問題が発生していました。

靴修理のプロとして、この履き心地を損なわず、いかにして「新品以上の安心感」をプラスできるか。私たちの挑戦が始まりました。

いずみ靴店

お客様の靴に込められた思い出や愛着をしっかりと受け止めながら、心を込めて修理を行っております。一足一足に真心を込めた作業を通じて、思い出の詰まった大切な靴が持つ新たな一歩をお手伝いいたします。

いずみ靴店

〒713-8121
岡山県倉敷市玉島阿賀崎2丁目6−46

086-526-3398

※お電話のお問い合わせは10:30~15:30の間にご連絡をお願いいたします。
基本的にはお問い合わせフォームへご連絡をお願いいたします。

2. 宿命の課題「加水分解」との対峙

ジョーヤや多くの高機能シューズに共通する悩みが、ミッドソールに使用されているポリウレタン(PU)の加水分解です。

加水分解とは何か?

ポリウレタンは、クッション性や軽量性に優れた素晴らしい素材ですが、空気中の水分と反応して化学分解を起こす性質を持っています。

症状: ベタつきから始まり、やがてボロボロと崩れ、最終的には粉状になって剥がれ落ちます。

原因: 保管状態だけでなく、実は「履かずに置いておくこと」も原因の一つになります(適度な圧力がかからないと水分が抜けにくいため)。

E様のジョーヤも、外見は綺麗でしたが、内部のポリウレタンが寿命を迎えていました。この状態になると、部分的な補修は不可能です。一度すべての底材を取り除き、ゼロから再構築する**「オールソール交換」**が必要となります。

3. 今回の主役:EVAスポンジという選択

ポリウレタンの弱点を克服するために、私たちが今回採用したのが**「EVA(エチレン・酢酸ビニル共重合体)スポンジ」**です。

なぜEVAなのか?

EVAは、ビーチサンダルの底から高性能スニーカーまで幅広く使われる素材ですが、修理においてこれを使う理由は3つあります。

圧倒的な耐久性(加水分解しない): EVAはポリウレタンと異なり、水分によってボロボロになることがありません。次回の修理時期が来るまで、素材そのものが崩壊する心配がなく、長く愛用いただけます。

軽量性と弾力性のバランス: ジョーヤの魅力である「軽さ」を損なわないよう、高密度のEVAを選択しました。適度な反発力があり、歩行時の衝撃をしっかりと吸収します。

加工の自由度: これが今回の修理の鍵となりました。EVAは削り出しや貼り合わせが可能なため、ジョーヤ特有の複雑な形状を再現するのに最適なのです。

4. 職人の技:EVAスポンジ3層貼り合わせの秘密

ジョーヤの最大の特徴は、つま先と踵がカーブした**「ロッキングソール(ゆりかご状の底)」**です。既製品のソールをペタッと貼るだけでは、この独自の歩行サポート機能は失われてしまいます。

そこで私たちは、厚さや硬度の異なるEVAスポンジを3層にわたって貼り合わせるという手法をとりました。

ステップ1:土台の形成

まず、靴本体(アッパー)の形状に合わせ、1層目のEVAを慎重に接着します。足裏のカーブに隙間なくフィットさせることが、後の履き心地を左右します。

ステップ2:厚みと曲線の再現

2層目、3層目と重ねていく際、単に厚くするのではなく、ジョーヤ独自の「ローリング歩行」を助けるための**「曲線の設計図」**を意識します。中央部には厚みを出し、つま先と踵に向かってなだらかに傾斜をつけていきます。

ステップ3:3Dグラインド(削り出し)

3層を強固に圧着した後、グラインダー(回転砥石)を使って手作業で削り出します。

サイドから見た時の流れるようなライン。

着地から蹴り出しまでをスムーズにする接地面の角度。 コンマ数ミリ単位で左右のバランスを整え、オリジナルが持つ「歩行をアシストする力」を復活させました。

5. 仕上げの美学:TOPY社クロコ柄ソールの採用

ミッドソールを完璧に作り上げた後、最後に地面と接する「アウトソール」を取り付けます。今回、デザイン性と機能性の両立を目指し、フランスの名門TOPY(トピー)社のクロコ柄ソールをセレクトしました。

スタイリッシュなリニューアル

従来のウォーキングシューズは、どうしても「実用本位」な見た目になりがちです。しかし、E様がこれからも街歩きを楽しまれることを想像し、少し遊び心を加えました。

デザイン: クロコダイル調の型押しが施されたソールは、高級感を演出し、修理前よりも「大人の一足」へと格上げしてくれます。

グリップ力: 意匠(柄)の溝がしっかりしているため、濡れた路面でも滑りにくく、安全性が向上しています。

耐摩耗性: 世界中の修理店で信頼されるTOPY社のラバーは、擦り減りに強く、長距離歩行の強い味方です。

6. 修理を終えて:お客様へ贈る言葉

靴は、私たちをどこへでも連れて行ってくれる大切なパートナーです。 特にジョーヤのような優れた靴は、一度その履き心地を知ってしまうと、他の靴では満足できなくなるほど体に馴染むものです。

加水分解してしまった靴を見て「もうダメだ」と諦めてしまう方は少なくありません。しかし、今回のように**「素材を理解し、構造を再構築する」**ことで、靴は何度でも生き返ります。むしろ、EVAに変えたことで、オリジナルよりも保管に気を使わず、ガンガン履ける仕様になったと言えるかもしれません。

E様、新しく生まれ変わったジョーヤで、ぜひまた素晴らしい景色を見に行ってください。埼玉の街を、そして全国を、軽やかな足取りで歩まれることを願っております。

7. 靴修理のご相談はいつでもお気軽に

今回のジョーヤに限らず、思い入れのある一足のトラブルでお悩みではありませんか?

「お気に入りだけど、底がボロボロ崩れてきた」

「他店で修理を断られてしまった」

「履き心地を自分好みにカスタマイズしたい」

私たちは、単に直すだけでなく、お客様の歩む未来を支えるという気持ちで一足一足に向き合っています。今回のEVAスポンジによる再構築のように、最適な素材と技術を組み合わせてご提案いたします。

どうぞ、お気軽にご相談ください。職人一同、皆様の足元を支え続けられることを誇りに思っております。

🛠️ 修理の詳細はプロフィール欄のリンク、またはDMからお問い合わせください!

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