世界一幸福な靴「Joya(ジョーヤ)」が直面した最大の危機
2026/01/11
1. 世界一幸福な靴「Joya(ジョーヤ)」が直面した最大の危機
究極のクッション性が生む、避けられない宿命
スイス生まれの「Joya」は、その圧倒的な柔らかさから「世界一膝に優しい靴」として知られています。その秘密は、特許を取得した独自の多層構造ソールにあります。しかし、この「魔法の履き心地」を実現するために不可欠なポリウレタン素材には、ある避けては通れない弱点があります。それが**「加水分解」**です。
加水分解という「静かなる破壊」
加水分解とは、空気中の水分とポリウレタンが化学反応を起こし、素材が内部からボロボロに崩れてしまう現象です。特に日本のような高温多湿な環境では、保管状況に関わらず発生しやすい現象でもあります。
D様からお預かりした際、ミッドソールはすでにその弾力を失い、指で触れると崩れ落ちるような状態でした。メーカー修理でも「修理不可」と判断されることが多いこのケースですが、私たちは「D様の愛着」という目に見えない価値を守るため、フルカスタマイズでの再生を決意しました。
2. 職人の手仕事:失われた「曲線」を取り戻す「造形」の工程
今回の修理は、既製品のパーツを貼り付けるような単純なものではありません。ジョーヤ最大の特徴である「ローリング歩行(揺りかごのような動き)」を支える独自の曲線美を、ゼロから作り上げる必要がありました。
① 徹底した「デブリードマン(清掃)」
まずは、ボロボロになったポリウレタンを完全に取り除きます。このカスがわずかでも残っていると、新しい素材が密着しません。アッパー(靴本体)を傷つけないよう慎重に、かつ確実に、元の形状がわかるギリギリのラインまで手作業で削り込みました。
② EVAスポンジによる「積層」と「彫刻」
加水分解を起こさない素材として選んだのは、高密度かつ軽量なEVAスポンジです。これを何層にも積み重ねていくのですが、ここが職人の腕の見せ所です。
硬度の調整: オリジナルのジョーヤに近いクッション性を出しつつ、歩行時の安定感を損なわないよう、異なる硬度のEVAを組み合わせました。
曲線の再現: ジョーヤ特有の「底の厚み」と「つま先・踵の跳ね上がり」を再現するため、グラインダー(削り機)で1ミリ単位の調整を繰り返します。それは修理というよりも、一つの彫刻作品を作り上げるような、極めて繊細な作業でした。
③ TOPY社製「クロコ柄ソール」による至高の仕上げ
最底面のアウトソールには、世界的なソールメーカーであるフランス・TOPY(トピー)社のシートを採用しました。
今回選んだのは、力強さと気品を兼ね備えた**「クロコ柄」**です。
耐久性: 耐摩耗性に優れ、長期間のウォーキングにも耐えうるタフさを持っています。
グリップ力: 独特のパターンが地面をしっかり捉え、雨の日の歩行もサポートします。
デザイン性: 実用的なウォーキングシューズに、クロコ柄という「遊び心」と「高級感」を加えることで、世界に二つとないD様だけのカスタムモデルへと昇華させました。
3. 「修理」が「再生」に変わる瞬間
オリジナルを超えていく喜び
修理が完了したシューズを手に取ったとき、そこにはかつての「崩れた靴」の面影はありませんでした。EVAスポンジのマットな質感と、TOPYソールのラグジュアリーな輝きが融合し、まるでブティックのショーケースに並んでいる新作のような輝きを放っていました。
しかし、本当の「再生」は見た目だけではありません。D様がこの靴に足を入れた瞬間、加水分解を恐れる必要がなくなり、再びどこまでも歩いていけるという「安心感」を手に入れたことこそが、今回の修理の真の成果です。
サステナブルな一歩として
今の時代、壊れたら買い換えるのは簡単です。しかし、D様のように「愛着のあるものを直して使う」という選択は、環境への配慮という点でも非常に尊いものです。一足の靴を長く履き続けることは、その靴と共に刻んできた思い出を更新し続けることでもあります。私たちは、その架け橋になれたことを誇りに思います。
4. 福岡の街を、再び軽やかに。D様へのメッセージ
福岡県にお住まいのD様。大濠公園の散策や、天神の街歩き、あるいは日常のふとした移動……。この新しく生まれ変わったジョーヤが、D様の毎日を足元から支え、より豊かなものにしてくれることを確信しています。
長くお使いいただくためのアドバイス
今回、加水分解しにくい素材(EVA)にアップデートしましたが、より長く快適に履いていただくために、以下の点をご留意いただければ幸いです。
交互に履く楽しみ: どんなに快適な靴でも、1日履いたら1日は休ませてあげてください。靴の中の湿気が抜けることで、素材の寿命がさらに延びます。
汚れのブラッシング: TOPYソールのクロコ柄の隙間に砂などが詰まった際は、軽くブラッシングしていただくと、グリップ力と美しさが持続します。
アッパーの保湿: ソールが新しくなった分、今度はアッパーの革が主役です。時々クリームで栄養を与えてあげると、靴全体がさらに深みを増していきます。
5. 結び:足元から始まる新しいストーリー
「靴を直す」ということは、その人の「歩み」を支えるということです。D様の大切な一歩一歩が、この新しいソールと共に、より軽やかで、より幸福なものになりますように。
福岡の職人として、D様の靴を再び生かすお手伝いができたことは、私たちにとってもかけがえのない喜びです。もし今後、履き心地の調整が必要になったり、他のお気に入りアイテムでお困りごとがあったりした際は、いつでもお気軽にご相談ください。
D様のこれからのウォーキングライフが、素晴らしい景色と出会いに満ちたものになることを心より願っております!
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