ナイキエアズーム 底剥がれ修理にオパンケ縫いを施す
2025/09/13
秋田県 I様 NIKE Air Zoom(ナイキ エアズーム)底剥がれ修理事例
はじめに
今回ご紹介するのは、秋田県にお住まいのI様からお預かりした NIKE(ナイキ)Air Zoom(エアズーム)スニーカーの底剥がれ修理 です。
ナイキのエアシリーズは、スポーツシーンはもちろん、タウンユースとしても人気の高いモデルで、軽量性やクッション性に優れているのが大きな特徴です。しかし、長く愛用されているとどうしても避けられないのが「ソールの剥がれ」や「加水分解」といった経年劣化です。
I様も大切に履いてこられたエアズームのソールが「歩行中にパカっと口を開けるように剥がれてしまった」とのことで、当店へ修理のご依頼をいただきました。ナイキのスニーカーは接着剤だけでソールが取り付けられていることが多く、劣化すると接着力が弱まり、一気に剥がれてしまうケースが少なくありません。
今回の修理では、単なる接着だけでは再び同じ症状が出てしまう恐れがあるため、当店独自の方法である「ボンド接着+オパンケ縫いによる補強」を行い、強度と耐久性をしっかり確保いたしました。
ナイキ・エアズームの特徴と劣化の原因
ナイキのAir Zoomは、ミッドソール内部に「ズームエア」と呼ばれる薄型のエアバッグを搭載し、反発力と安定感を両立させたモデルです。バスケットボール、ランニング、トレーニングなど幅広いシーンで人気があり、日本国内でも愛用者が非常に多いスニーカーです。
ただし、ソールの素材にはEVAやポリウレタン系の樹脂が多用されており、時間の経過とともに「加水分解」や「接着剤の劣化」が避けられません。特に以下のような環境では劣化が進行しやすくなります。
湿度の高い環境での保管
高温になる車内などへの放置
雨や汗による水分の影響
長期間履かずに放置していた場合
今回のI様のスニーカーも、使用頻度はそれほど多くなかったそうですが、保管中に接着剤が劣化してしまい、ソールが浮き上がるように剥がれてしまった状態でした。
修理前の状態確認
お預かりした際の状態は、アウトソールとミッドソールの接合部分が広範囲にわたって剥がれていました。特につま先から側面にかけて大きく口を開けており、そのままでは歩行中につまずきや転倒の危険もあるほどです。
一見すると「ボンドで再接着すれば良いのでは?」と思われるかもしれませんが、ナイキのソールは素材表面が劣化していることが多く、接着だけでは強度が不足します。そのため当店では 「接着+縫製」 を組み合わせ、より確実な修理を行います。
修理工程
1. ソールの分解・下処理
まずは剥がれてしまったソールを丁寧に分解します。残っている古い接着剤や劣化した素材を完全に除去しなければ、新しい接着剤がしっかりと密着しません。この下処理が甘いと、修理後すぐに再剥がれを起こす原因になります。
剥がれた面をヤスリで均し、さらに専用の薬剤で脱脂を行い、接着準備を整えます。
2. ボンド接着
下処理を終えた後、靴修理専用の強力な接着剤を塗布します。一般的な瞬間接着剤や市販のボンドでは耐久性が不足するため、プロ仕様のボンドを使用し、温度と圧力を調整しながら圧着します。この時点で「一応は履ける状態」にはなりますが、ナイキのスニーカーは接着面積が狭いことも多いため、当店では必ず次の「縫い付け工程」を追加します。
3. オパンケ縫いによる補強
ボンドで圧着した後、ソールの側面からつま先にかけてぐるりと一周、オパンケ縫いを施します。
オパンケ縫いとは、靴本体とソールを直接縫い合わせる製法で、古くからワークブーツや登山靴の修理で用いられてきた非常に丈夫な方法です。縫い糸には耐摩耗性と強度に優れたナイロン糸を使用し、専用の「オパンケ縫いミシン(八方ミシン)」を使って手作業で仕上げます。
八方ミシンは、通常の靴用ミシンでは縫えないような厚みのある素材や立体的な形状でも縫製できる特殊なミシンで、靴修理においては欠かせない設備のひとつです。
この工程を加えることで、ソールは「接着+縫い付け」の二重構造となり、格段に強度が高まります。激しい運動や長時間の歩行でも安心してお使いいただけるようになります。
修理後の仕上がり
修理完了後のナイキ エアズームは、見た目にも自然で違和感のない仕上がりとなりました。接着だけでは心配だったつま先部分も、縫い付けによってしっかりと固定され、再度の剥がれの心配はほとんどありません。
I様にも実際に仕上がりをご確認いただき、「新品のように安心して履けるようになった」と大変喜んでいただけました。
今後の使用上のアドバイス
修理後も長持ちさせるためには、以下の点にご注意いただくとさらに安心です。
履いた後はしっかりと乾燥させる
直射日光や高温多湿の場所で保管しない
長期間履かない場合でも、定期的に取り出してチェックする
ソールが再び浮いてきたら早めに修理に出す
スニーカーは「まだ履ける」と思っていても、見えない部分で劣化が進んでいることがあります。早めの修理が結果的に靴を長く使うことにつながります。
まとめ
今回の秋田県I様の ナイキ エアズーム底剥がれ修理 では、
ソールの剥がれを丁寧に分解・下処理
専用ボンドで強力に接着
側面からつま先にかけて「オパンケ縫い」で補強
という手順を踏むことで、耐久性と強度をしっかり確保しました。
ナイキをはじめとするスニーカーの修理では「接着だけでは再剥がれが心配」というケースが多いため、当店では 八方ミシンによるオパンケ縫い を積極的に導入しています。
「お気に入りのスニーカーをもう一度安心して履きたい」という方は、ぜひ当店へご相談ください。遠方からの宅配修理にも対応しておりますので、日本全国どこからでもご依頼いただけます。
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