【Church’s(チャーチ)オールソール修理】本革レザーソールと鍵型半革ラスターで蘇る英国名靴の履き心地
2026/10/24
英国を代表する老舗シューズブランドChurch’s(チャーチ)。堅牢なグッドイヤーウェルト製法と上質なレザーで仕立てられたその靴は、まさに「一生もの」と呼ぶにふさわしい逸品です。
しかし、どれほど素晴らしい名靴であっても、履き込むうちに避けて通れないのがソールのすり減りやヒールの劣化です。
「気に入って履いていたら、レザーソールが薄くなって穴が開きそう…」
「かかとのゴムがすり減って、積み上げの木目(革)まで届きそう…」
「チャーチの靴を信頼できる職人にオールソール(靴底全体交換)してほしい」
今回、岡山県倉敷市のいずみ靴店にご相談いただいたのは、倉敷市内にお住まいのK様からのChurch’s(チャーチ)紳士革靴の修理ご依頼です。
本記事では、チャーチの革靴が持つ特徴から、今回の本革オールソール交換・出し縫い・鍵型半革ラスター仕上げの手順、そして修理費用や長持ちさせるコツまで、靴修理職人の視点で詳しく解説します。
今回ご相談いただいたChurch’s(チャーチ)の状態
今回お持ち込みいただいたChurch’s(チャーチ)は、非常に大切にお手入れされながら履き込まれた一足でした。アッパー(甲革)の革質はしなやかで良い状態を保っていましたが、足元(靴底)には長年の歩行による確かな経年変化が表れていました。
1. 本革ソール(レザーソール)の摩耗
革靴の底面であるレザーソールは、歩行時の摩擦や路面の水分・油分によって徐々に削れて薄くなります。特に踏み付け部(前足部)の中央付近は最も圧力がかかるため薄くなりやすく、放置すると内部のコルクが露出し、最悪の場合はグッドイヤーウェルトの縫い糸やウェルト自体を傷めてしまう原因になります。
2. ヒール(かかと)のすり減り
かかとの最下部にあるトップリフト(ゴムや革の層)が限界近くまで削れており、そのまま履き続けるとヒールのベース(積み上げ革)まで削れてしまい、復元に追加の工程が必要になる一歩手前の状態でした。
Church’s(チャーチ)の構造とオールソール修理の重要性
チャーチの革靴の多くは、グッドイヤーウェルト製法と呼ばれる伝統的な製法で作られています。
グッドイヤーウェルト製法とは?
アッパー(甲革)、インソール(中底)、ウェルト(細革)を一緒に縫い付け、そのウェルトにアウトソール(靴底)を「出し縫い(アウトソールステッチ)」で縫い付ける二重構造の製法です。
特長1:何度でもソール交換が可能
本体(アッパーや中底)を痛めずに、靴底(アウトソール)だけを綺麗に取り外して新しいものに付け替えることができます。
特長2:優れた履き心地と耐久性
中底とアウトソールの間にはクッション材として「コルク」が敷き詰められており、履き込むほどに自分の足型に沈み込み、極上のフィット感を生み出します。
ソールが薄くなった状態で無理に履き続けると、この重要な「ウェルト」まで損傷し、大掛かりなリビルド(ウェルト巻き直し)が必要になる場合があります。そのため、すり減りが中底に達する前にオールソール交換を行うことが、お気に入りのチャーチを末永く履き続ける最大のポイントです。
今回の修理内容:本革オールソール交換の流れ
いずみ靴店では、チャーチが持つ本来の気品と堅牢さを損なわないよう、細部の工程まで妥協せず丁寧に作業を進めます。
🔧 修理内容のまとめ
古いソールの取り外しと下地処理
新しい本革(レザーソール)の加工・接着
出し縫いミシンによる頑丈な縫い付け
ヒール(積み上げ革)の高さ調整・成型
鍵型(カギ型)の半革ラスターでトップリフト仕上げ
コバ・ソールの仕上げ磨き(コバ塗り・コテ当て)
作業工程1:古いソールの解体とコルクの補填
まず、摩耗した古いレザーソールとヒールを慎重に取り外します。出し縫い糸を切断し、靴内部の状態を確認します。
長年の歩行で潰れた内部のコルク状態をチェックし、必要に応じて新しい天然コルクを適量補填。これにより、オールソール後もグッドイヤーウェルト特有のクッション性と足馴染みの良さが蘇ります。
作業工程2:高品質な本革(レザーソール)の装着と出し縫い
新しい本革ソールを最適な厚み・角度でカットし、靴の底面に強力に接着します。
続いて、専用の縦型出し縫いミシンを使用し、ウェルトと新しいレザーソールをしっかりと縫い合わせていきます。適切な糸のテンション(張り)で一針一針均一に縫い上げることで、見た目の美しさはもちろん、歩行時の曲がり(返り)と耐久性を両立させます。
作業工程3:ヒール積み上げ(レザーリフト)の調整
革靴のかかと部分は、本革の板を何層も重ね合わせた「積み上げ(ベンズ)」によって高さを出しています。
人間の歩き方の癖や旧ソールの傾きによって生じたバランスのズレを計算し、職人の手で一枚一枚革を積み増し・研磨して、靴全体が最も安定する理想的な高さと角度に整えます。
作業工程4:鍵型「半革ラスター」トップリフトの取り付け
今回、かかとの最上部(地面に接する部分)には、クラシックなドレスシューズの象徴でもある「鍵型の半革ラスター(ラスターヒール)」を採用しました。
💡 鍵型半革ラスターとは?
かかとの接地面のうち、摩擦が最も激しい「後ろの外側」に硬質なゴムを配し、その他の部分に本革を使用したトップリフトです。ゴムのつなぎ目が「カギ型(L字型)」になっているのが特徴です。
美観: 歩く際や脚を組んだ際に、チラリと見えるレザーの質感がクラシックでエレガントな印象を与えます。
実用性: 減りやすい角の部分が耐摩耗性に優れたゴムになっているため、見た目の美しさと実用的な耐久性を兼ね備えています。
チャーチのような英国高級紳士靴との相性は抜群で、足元に一気に気品を取り戻すことができます。
作業工程5:コバの削り出しと仕上げ磨き
ソールの側面(コバ)を専用の刃物やペーパーで削り出し、チャーチ独特のエッジの効いたシルエットに整えます。
その後、インクで着色し、熱したコテを当てて革の表面を引き締め(焦がし仕上げ)、光沢を出します。最後にアッパー全体の革のお手入れ(デリケートクリーム・靴磨き)を行い、修理完了となります。
チャーチの革靴を長持ちさせるための日常ケア
オールソール修理を行った靴を、さらに長く良い状態で履き続けるためのワンポイントアドバイスをご紹介します。
1. シューキーパー(木型)を必ず使用する
履いた後の革靴は、足の汗や歩行時のシワによって型崩れを起こしやすくなっています。木製のシューキーパーを入れることで、靴内の湿気を吸収し、ソールの反り返りや甲のシワを伸ばして元の美しい形状を保ちます。
2. 1日履いたら2日休ませる
同じ靴を毎日履き続けると、本革ソールや内部のコルクに水分が溜まり、革の劣化やソールの摩耗が早まります。2〜3足をローテーションして履くのが理想的です。
3. スチール(ヴィンテージスチール)の装着もおすすめ
新品時やオールソール直後のレザーソールは、つま先部分が特に減りやすい傾向にあります。つま先のすり減りが気になる方には、あらかじめ金属製の「ヴィンテージスチール」を取り付ける補強カスタマイズも人気です。
全国からの郵送・宅配修理にも対応しています
「近くに高級革靴を安心して預けられる修理店がない」 「他店で断られてしまった特殊な構造の革靴がある」
いずみ靴店では、店舗のある岡山県倉敷市・玉島エリアのお客様はもちろん、日本全国からの郵送・宅配による靴修理のご依頼を承っております。
LINEやメールでの事前見積もり(お写真をお送りいただくだけで概算費用をお伝えします)
宅配便で靴を送るだけの簡単お申し込み
職人が1足ずつ丁寧に仕上げてご自宅へ返送
チャーチをはじめ、オールデン(Alden)、クロケット&ジョーンズ(Crockett & Jones)、エドワードグリーン(Edward Green)、パラブーツ(Paraboot)など、国内外のあらゆる高級紳士靴の修理・カスタムに対応しております。
チャーチ・紳士革靴の修理はいずみ靴店にお任せください
「本革ソールが薄くなってきた」
「かかとがすり減って歩きにくい」
「昔買った大切なチャーチをもう一度綺麗に履きたい」
長年連れ添った大切な革靴のトラブルや疑問がございましたら、どうぞお気軽にいずみ靴店までご相談ください。靴の状態、ご予算、履くシーン(ビジネス・フォーマル・カジュアル)に合わせた最適な修理プランをご提案いたします。
店舗情報・お問い合わせ
項目内容
店舗名いずみ靴店
店主・職人虫明 隆二(むしあけ りゅうじ)
所在地〒713-8121 岡山県倉敷市玉島阿賀崎2-6-46
電話番号086-526-3398
公式HPhttps://izumikutumise.com
対応メニュー本革オールソール交換 / ラバーソール交換 / かかと(トップリフト)修理 / ハーフラバー補強 / ヴィンテージスチール取り付け / 加水分解修理 / 靴の幅出し・丸洗いクリーニング 等
お気に入りの靴を、これからもずっと長く。
皆様からのご相談・ご依頼を心よりお待ちしております。


