【ニューバランス576】ソールがボロボロ…加水分解のウェッジヒール部分修理・復元ガイド【愛知県F様事例】
2026/10/09
「お気に入りのニューバランス576を久しぶりに履こうと思ったら、ヒール部分がボロボロ崩れてきた…」
「もう捨てて買い替えるしかないのかな?」
愛着のあるスニーカーが経年劣化してしまうと、本当にショックですよね。しかし、諦めるのはまだ早いです。
今回は、愛知県にお住まいのF様よりご依頼いただいた「ニューバランス576(New Balance 576)」のウェッジヒール加水分解修理の事例を詳しく解説します。
ソール全体を新品に交換するのではなく、劣化して崩れたウェッジヒール部分だけをEVAスポンジで精密に作製・再構築する「部分修理」の工程から、加水分解の原因、長く履き続けるための保管ノウハウまで、靴修理職人の視点で分かりやすくご紹介します。
1. ニューバランス576に起こる「加水分解」とは?
なぜソールがボロボロに崩れてしまうのか?
ニューバランスをはじめとする高機能スニーカーのミッドソールには、優れたクッション性を発揮するためにポリウレタン(PU)などの素材が使用されています。
このポリウレタン素材は、空気中の水分と反応して化学分解を起こす性質を持っています。これが「加水分解(かすいぶんかい)」です。
履かずに靴箱にしまい込んでいた
湿気の多い場所に保管していた
購入してから数年以上が経過している
このような条件が重なると、見た目は綺麗でも内部のクッション材(ウェッジヒール)が徐々に劣化し、最終的にはクッキーのように手で触るだけでボロボロと崩れ落ちる状態になってしまいます。
「加水分解=寿命」ではありません!
ソールが崩れてしまうと「もう履けない」「寿命だから廃棄するしかない」と考えてしまいがちですが、決してそんなことはありません。
適切な技術と適切な代替素材(EVAスポンジなど)を用いることで、履き心地と強度を蘇らせることができます。
2. 【愛知県F様】ニューバランス576の修理工程と職人のこだわり
今回ご依頼いただいた愛知県F様のニューバランス576も、ソール内部の「ウェッジヒール部分」が加水分解により著しく劣化している状態でした。
職人が実際に行った修理・復元プロセスをご紹介します。
工程1:状態の確認と慎重な「解体(分解)」
加水分解を起こした素材の上から強力な接着剤を塗っても、ベースとなる素材自体が崩れているため、すぐに剥がれてしまいます。
まずは靴本体(アッパー)とソールを慎重に手作業で分解します。アッパーのレザーやメッシュ生地を傷つけないよう、職人の手加減で丁寧に切り離していきます。
工程2:劣化素材の完全除去と下地処理
解体後、ボロボロになった加水分解パーツ(ウェッジヒール部分)をきれいに取り除きます。
微細な粉末や劣化組織が少しでも残っていると接着不良の原因になるため、ワイヤーブラシや専用工具を用いて、下地を真っ新な状態まで入念に削り落として清掃します。この下地処理が、修理後の耐久性を大きく左右する重要なポイントです。
工程3:EVAスポンジによる代替パーツの削り出し・削り合わせ
元のウェッジヒールの厚み、傾斜角度、カーブの形状をミリ単位で計測し、高密度な「EVAスポンジ」を用いて代替パーツを一から作製します。
【職人のこだわり:EVA素材の採用】
代替品として使用する「EVAスポンジ」は、加水分解を起こさない耐久性に優れたポロン・ゴム系複合軽量素材です。軽量かつクッション性にも優れているため、ニューバランス本来の快適な履き心地を損なうことなく、長期間安心して着用いただけます。
靴本体のラウンド形状に合わせて、削り出しと研磨を何度も繰り返し、ぴったりフィットするウェッジヒールを組み上げます。
工程4:圧着・圧着成型・最終仕上げ
作製したEVAウェッジヒールとアッパー、アウトソール(靴底)に専用の強力プライマーと接着剤を塗布し、熱処理を行ったうえで専用プレス機にて強力に圧着します。
接合部のはみ出しやズレがないかを確認し、アウトラインを美しく整える研磨(コバ磨き)を行って修理完了です。
3. 「部分修理」と「オールソール(全体交換)」の違いとメリット
ニューバランスのソール修理には、大きく分けて2つの選択肢があります。
修理方法特徴メリットこんな方におすすめ
部分修理(ウェッジヒール作成)劣化部分(ヒール)のみを削り出し作製・交換する
・費用を抑えられる
・純正のアウトソール(底面)をそのまま活かせる
アウトソール(裏面)の擦り減りが少なく、ウェッジ部分のみが崩れている場合オールソール(全交換)ソール全体をビブラム(Vibram)等の新品ソールに丸ごと交換する
・ソール全体の耐久性が新品同等になる
・デザインをカスタムできる
アウトソール自体も擦り減り・摩耗が激しい場合
今回のようにアウトソール(靴底のゴム面)がしっかりと残っている場合は、「部分修理」を行うことで、コストを抑えつつ元々のデザイン性を最大限残したまま復元することが可能です。
当店では、お客様の靴の状態とご予算・ご要望に合わせ、最適な修理計画をご提案しております。
4. 修理後も長く履くための「加水分解予防法」
せっかく修理して蘇ったお気に入りのニューバランス。少しでも長く愛用していただくための保管・メンテナンスのコツをご紹介します。
① 定期的に履いて空気を入れ換える
スニーカーのソール素材は、足で踏み込む圧力(加圧)と復元が繰り返されることで、内部の水分が外へ押し出される性質があります。履かずに箱に入れっぱなしにすることが一番の劣化の原因です。月に数回は履いてあげるのが最大の予防法です。
② 保管場所に風通しと除湿対策を
靴箱の中は湿気が溜まりやすい環境です。
履いた直後はすぐに靴箱に仕舞わず、陰干しで乾燥させる
靴箱には木製シューキーパーや専用の除湿剤を入れる
定期的に靴箱の扉を開けて換気する
③ 加水分解しにくい素材(EVAなど)への修理を活用する
今回作製したEVAスポンジのように、一度加水分解に強い耐候性素材へ交換してしまえば、同じ部分がボロボロと崩れるリスクは大幅に低減されます。
5. ニューバランスのソール修理・加水分解でお悩みなら「いずみ靴店」へ
「自分のニューバランスも修理できるかな?」
「費用や納期の見積もりだけ知りたい」
そんな方は、ぜひ岡山県倉敷市の「いずみ靴店」にご相談ください。当店では全国からの郵送修理・宅配修理にも対応しております。
当店が選ばれる理由
確かな専門知識と技術力:ニューバランス特有の構造を熟知した職人が手作業で丁寧に施工します。
最適な修理プランのご提案:状態に合わせて「部分修理」か「オールソール」か、無駄のない方法をご案内します。
全国対応のLINE・写真見積もり:写真を送るだけで、事前におおよその修理料金とお預かり期間をお伝えできます。
6. お問い合わせ・ご依頼の流れ
STEP 1:写真による事前お見積もり(無料)
スマートフォンで修理したいニューバランスの状態(全体、ソールの劣化部分)を撮影し、当店の公式LINEまたはメールフォームよりお送りください。
STEP 2:お見積もり・修理内容のご提案
靴修理職人が状態を確認し、適切な修理方法(ウェッジヒール作製・オールソール等)と概算費用、納期をご返信いたします。
STEP 3:店舗への発送またはご来店
お見積もり内容にご納得いただけましたら、商品を店舗へご発送いただくか、店頭(岡山県倉敷市)までお持ち込みください。
STEP 4:職人による精密修理・ご返送
心を込めて丁寧に修理・仕上げを行い、完成いたしましたらお客様のもとへお届け(または店頭受取)いたします。
店舗情報
店舗名:いずみ靴店
所在地:〒713-8121 岡山県倉敷市玉島阿賀崎
事業内容:靴修理・スニーカー修理・革製品リペア・合鍵作成
【職人からのメッセージ】
愛着のあるニューバランス576。ソールが崩れてしまったからと諦めて捨ててしまう前に、ぜひ一度当店にご相談ください。一足一足の思い出に寄り添い、これからも安心して長く履いていただけるよう、最適な技術で復元いたします。
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